
※これはドラゴンクエスト風のアンチエイジング物語です。
プロローグ
その王国には、こんな伝説があった。
「若返りの鍵(エリクサ・エテルナ)を手にした者は、時を超え、再び輝きを取り戻す」
時はR.Y.(Reiwa Year)2040年。かつて“モテナイ村”と呼ばれた地に、ひとりの冴えない中年男が暮らしていた。名はアラフォーン。かつて勇者になる夢を抱いていたが、現実に打ちのめされ、今は薄毛とシミに悩みながら地味な日々を送っていた。
ある夜、村の古びた図書館で、アラフォーンは一冊の禁書に出会う。そこにはこう記されていた。
「エリクサ・エテルナを得るには、美の三賢者を訪ね、己の“習慣の呪い”を解き放つべし」
アラフォーンは決意する。
「俺だって…変わりたい。もう一度、胸を張って生きたい!」
こうして、“見た目年齢−10歳”を目指す冒険が始まった──!
第一の賢者「スキンケアの巫女・セラピナ」
最初に訪れたのは、美容の神殿で微笑むセラピナ。
「アラフォーンよ…汝の顔は乾ききっておる。アンチエイジングの第一歩、それは保湿なり」
セラピナは化粧水・美容液・乳液を三位一体の神器として授けた。毎日朝晩、この儀式を欠かさず行うようにと。
アラフォーンは驚いた。数日で顔色が明るくなり、ほうれい線も心なしか薄くなってきた。
「な、なんだこれは…俺の顔が…生き返っていく…!」
第二の賢者「筋肉魔導士・バルクス」
次に訪れたのは、筋トレの塔に住まう伝説の肉体派、バルクス。
「見た目の若さは体型に宿る!毎日10分、スクワットとプランクで十分だ。筋肉は裏切らん!」
初日は全身が悲鳴を上げた。だが1週間後、体が軽くなり、スーツのシルエットが変わった。エレベーターではなく階段を選び、息切れしなくなった。
「俺の中の勇者…まだ死んでなかったんだな…」
第三の賢者「食と眠りの賢女・ミネラリーナ」
最後に現れたのは、白衣をまとったミネラリーナ。彼女は静かに語る。
「肌も筋肉も、元は食事と睡眠から。加工食品と夜ふかしは“老化の魔王”の仕業。バランスのよい食事と7時間の睡眠こそ、最大の若返り呪文です」
アラフォーンは、ラーメン&ビール生活から脱し、プロテイン入りの朝食と、夜10時就寝を始めた。
最初は苦痛だったが、1か月後──
鏡の中にいたのは、まるで別人のような男だった。
そして、若返りの鍵は…?
すべての賢者の教えを守ったアラフォーンは、ふと気づいた。
(エリクサ・エテルナは、実在しないのではないか?)
だがその時、彼の前に美しき女神が現れた。
「アラフォーンよ。そなたはもう手にしておる。エリクサ・エテルナとは、“己を信じて積み重ねた日々”そのものなのじゃ」
女神は微笑み、彼に最後の力を授けた──それは、自信に満ちた笑顔だった。
そして伝説へ…
数か月後、同窓会で再会した同級生たちは、口を揃えて言った。
「誰だあれ…?めっちゃイケてる…!」
その中に、学生時代ずっと片想いしていた女性もいた。
「…なんか、すごく変わったね。今のほうがずっと素敵だよ」
その瞬間、アラフォーンの冒険は“本物の人生”へと続いていくのだった。
そして伝説は、今を生きるすべての“アラフォーン”たちに受け継がれる。
──勇者よ、美の冒険へ、旅立つのだ。